【技術解説】ゴルフボールに関する規則と仕様

ゴルフボールの「規格」は6つの基準で成り立っている!🏌️‍♂️ ルールで定められた適合球の秘密

私たちがコースで使用するゴルフボールは、飛距離や公平性を守るため、R&A(ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ・オブ・セント・アンドリュース)とUSGA(全米ゴルフ協会)が定める用具規則に厳格に適合している必要があります。

この規則には、ボールが満たすべき6つの重要な基準が設けられています。これらすべてをクリアしたボールだけが、正式な競技で使用できる「適合球」となります。


6つの基本規格

ゴルフボールに課せられる規格は、「用具規則 パート4-球の適合性」に定められています。

※詳細はJGA(日本ゴルフ協会)の用具の規則から確認できます

1. 通則(General)

まず大前提として、「ゴルフのゲーム、伝統、慣習」に従った形状と構造でなければなりません。この原則に基づき、以下の具体的な基準が定められています。

2. 重さ(Mass)

  • 最大重量:45.93g(1.62オンス)以下
    • ボールが重すぎると慣性で飛距離が伸びやすくなるため、上限が設けられています。ほとんどのボールはこの制限に近い重さに作られています。

3. 大きさ(Size)

  • 最小直径:42.67mm(1.680インチ)以上
    • 直径が小さすぎると空気抵抗が減り、強風などの影響を受けにくくなるため、最小限の大きさが定められています。

4. 球体としての対称性(Spherical Symmetry)

  • ボールは、表面のディンプルパターンも含め、均一な球形であること。
  • 内部構造が均一で、ボールの中心に対して対称的な特性を持っていなければなりません。
    • これは、意図的に空気力学的な性能に偏りを持たせること(例:特定の向きで打つと飛距離が伸びる、曲がりにくいなど)を防ぎ、ショットの成否がプレーヤーの技術に依存することを保証するための基準です。

5. 初速(Initial Velocity)

  • 初速の制限:特定のテスト条件下で、初速が所定の上限を超えないこと。
    • ボールがクラブで打たれた直後の速さ(初速)に上限を設けることで、極端な飛距離性能を持ったボールの開発を抑制しています。

6. 標準総合距離(Overall Distance Standard)

  • 飛距離の制限:特定のテスト条件下で、総合飛距離が所定の上限を超えないこと。
    • これは、初速の基準と並んで、ボールの最大飛距離性能を制限するための最も重要な基準です。メーカーの技術革新によってコースが短くなりすぎないよう、ボールが飛びすぎないための最終的な歯止めとなっています。

R&AとUSGAは2028年からゴルフボールのテスト条件を改正する決定を発表しました。詳細は以下記事にまとめています。


💡 まとめ:適合球が守る「ゴルフの本質」

これら6つの規格が存在する最大の理由は、ゴルフというゲームの公平性と伝統を守るためです。

もしこれらの制限がなければ、道具の性能競争によってゴルフが「道具を遠くに飛ばすゲーム」に変わり、長年培われてきた技術やコース設計の戦略性が失われてしまいます。

あなたが使っているボールがこれらすべての厳しい基準をクリアしているからこそ、すべてのプレーヤーが同じ土俵で、自身の技術を競い合うことができるのです。

タイトルとURLをコピーしました