【技術解説】2028年ゴルフボール飛距離性能規制

技術解説

R&A1とUSGA2は2028年からゴルフボールのテスト条件を改正する決定を発表しました。この記事ではそもそものテスト条件についての解説と,改正内容について説明します。

※詳細は日本ゴルフ協会HPよりhttps://www.jga.or.jp/jga/jsp/rules/news_detail_22717.html

ゴルフボールの適合性テスト

ゴルフボールにはクラブと同様に制約条件があり,重さ・大きさ・飛距離性能などといった条件に合格したボールは公認球として認められ,競技に使用できます。
飛距離性能を評価する指標として,標準総合距離(ODS:Overall Distance Standard)によるゴルフボールの適合性テストがあります。

決められたヘッド速度・スピン量・打ち出し角でショットしたとき,飛距離が標準総合距離(ODS)以内となれば,適合性テストに合格となります。適合性テストやその他項目で合格となったボールは,公認球として認められ使用することができます。

適合性テスト改定内容


適合性テストの現行の基準は,2004年当時のロンゲストヒッターのスイングに基づいて規定されています。一方近年,クラブ性能の進化や飛ばし屋の台頭により,特にドライバー飛距離が伸びてきています。これに合わせ,ツアーではコース距離を増加させるなど対策をしていますが,ゴルフ場の敷地にも上限がありこれ以上のコース距離延長は難しくなってきています。

そこで,アマチュアゴルファーへの影響を最小としながら、増加する飛距離がゴルフの長期的な持続可能性に与える影響を減じることを目的として,適合性テストを改定する決定がされました。(2023/12発表,2028/1発効)

項目

現行

改定後

標準総合距離(ODS)

317yd+測定誤差3yd

317yd+測定誤差3yd

クラブヘッド速度

120mph(53.6m/s)

125mph(55.9m/s)

ボール速度

176mph(78.7m/s)

183mph(81.8m/s)

スピン量

2530rpm

2220rpm

打ち出し角

10°

11°

分かりやすく言うと,今まではヘッド速度53.6m/sで317yd以内で合格だったのが,より早いヘッド速度55.9m/sで317yd以内とならなければ合格にならないこととなります。

本改正は2028/1から発効となりますが,レクリエーショナルゴルファー(アマチュアゴルファー)には2030/1まで猶予が設けられています。

改正スケジュール
  • 2023/12
    ゴルフボールのテスト条件を改正する決定を発表
  • 2028/1
    テスト条件の改正が発効
  • 2030/1
    レクリエーショナルゴルファーも改正の対象

飛距離への影響

R&A1とUSGA2から,改正による飛距離への影響見込みも発表されています。飛距離ランキング上位のプロでは13~15yd程度の減少が見込まれていますが,アマチュアゴルファーは5yd以下と影響は最小限に抑えられています。

とはいえ,飛距離が減るのは良い気分はしないですよね。新適合性テストを満たしつつ,アマチュアゴルファーには影響がより少ないボール開発が,今後のメーカーの技術の見せ所ではないでしょうか。

プレーヤー

減少飛距離(見込)

飛距離ランキング上位プロ

13~15yd

男子プロ

9~11yd

女子プロ

5~7yd

アマチュア

5yd以下

  1. USGA:アメリカ合衆国とその準州、そしてメキシコでのゴルフ規則を管理している組織 ↩︎
  2. R&A:加盟ゴルフ団体の同意を得て、世界中のその他すべての地域でのゴルフ規則を管理している組織 ↩︎
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